ひゃくアップて言うな

ファミコンのスーパーマリオブラザーズが発売されて大ブームになったとき、3-1でノコノコを使ってマリオの残機を好きなだけ増やせる有名な技がたちまち話題になった。 当時、みなさんの周囲ではあの技のことを何と呼んでいただろうか。ファミマガの記事であ…

志村けんのこと

志村けんが死んで一週間、「思った以上にショックだ」という反応をたくさん目にした。ぼくも同じ気持ちだ。最近の動向を熱心に追っていたわけでもないのに、志村けんがいなくなってしまった喪失感が意外なほど大きい。 ぼく(1977年生まれ)の世代は、物心つ…

夢と魔法と現実と

待ちに待った中学の修学旅行、目的地は花の都・大東京。ぼくたち生徒のテンションの上がりっぷりやものすごく、行きのバス車内は狂乱の騒ぎであった。 初日の東京ドーム見学でいきなり現地ガイドさんから「こんなにまとまりのない学校は初めてですよ!」と標…

ミルクボーイの漫才風に宮地眞理子

▽いきなりなんですけど ■うん ▽うちのオカンがね ■うんうん ▽好きなミステリーハンターがいるらしいんやけど ■そうなんや ▽その名前を忘れたらしくてね ■好きなミステリーハンターの名前忘れてもて ▽そやねん ■どうなってんねんそれ ▽色々聞くんやけど 全然…

箸の持ち方を直したい

トイレをギリギリまで我慢する。天気予報が雨なのに傘を持とうとしない。真冬でも薄着。箸の持ち方がおかしい。昭和のバカ小学生かと思うが、ことし43になろうとしている自分のことなので、いよいよまずいと思えてきた。 とくに箸の持ち方は毎年正月に「今年…

「ターミネーター」と書かれたそのエロビデオ

アダルト動画サイトなどもちろん存在していなかった平成初めのころ、リビドーをもてあます男子中学生だった我々はエロ本にも成年コミックにも飽きたらず、とにかく「動くエロ」が見たくて見たくてしょうがなかった。男子中学生とはそういうものである。 アダ…

朝比奈隆が最後に遺したブラームス

今年は久しぶりに朝比奈隆のCDをあれこれ聴きなおした。その中で「いいなこれ」と思ったものが、ひとつは大阪フィルとスタジオ録音したブルックナーの交響曲第3番。もうひとつは最後のブラームス・ツィクルスとなった新日本フィルとのブラームス交響曲全集で…

久しぶりに見たホーム・アローンが面白かった話

年末になると『ホーム・アローン』が放送されて、去年も「平成も終わるというのにホーム・アローンて」と思いながら見てたら、子供のときとは違う視点ですごく面白かったんですよ。 自分が大人になったから登場人物の親たちの気持ちになって見られた……という…

秋本治先生が本当にすごいところ

10歳のときに初めて友人宅で『こち亀』を読んでから思春期に至るまで、この漫画はぼくのバイブルのようなものだった。 両さんに憧れ、下町に憧れ、趣味を真似、自転車の乗り方を真似(いま思うと相当危ないことをしていた)、なにをするにも『こち亀』が基準…

鼻歌特定アプリがGoogleよりすごかった話

ずいぶん前から、ある歌のサビのメロディが不意に頭の中で流れてくることがあり、しかし誰の何という曲なのかがさっぱり分からないのであった。分かるのは ・女性が歌っている ・アレンジの感じからしてたぶん80年代 ということくらいで、あとはAメロBメロも…

『タケシとタツヤとマリコとライト』を観てきた話

注意! この記事は激しくネタバレを含みます。 作・福田卓郎、タケシとタツヤとマリコとライト『フランクロイドは電気羊の夢を見ない?』は、今後も再演される可能性が高いです。 まだ舞台をご覧になっていない方は、ここから先の記事をお読みにならないよう…

宇野功芳先生ありがとう、いつも楽しい評論を書いてくれて…

2016年が過ぎ去ろうとしている。ブーレーズ、アーノンクールなどクラシック音楽界にも大家の訃報があったが、ぼくにとってはやはり宇野功芳さんの逝去がいちばん衝撃だった。 ■チャーミングなおっさん みなさんは、ブルックナーのスコアにおいてメゾ・ピアノ…

やっぱり、ベトはすごかった

タイトル詐欺みたいなんですが・・・モーツァルトのピアノ協奏曲第20番二短調について書きます。 泣く子も黙るケッヘル466番である。 ははー。 この時代の協奏曲には、第一楽章の終わり近く、 「ここはソリストの好きなようにやったんさい」 と楽譜に何…

日本に、朝比奈隆がいてよかった。

本邦のクラシック音楽ファンにとって朝比奈隆をどう評価するかは、けっこう避けては通れない問題で、それはかつてのカラヤンに対するそれと同じような、ある種の踏み絵となっている。 ぼくは90年代の、まさに朝比奈ブーム華やかなりし時期、何度か朝比奈と…

楽は三十三間堂に満ちて

フジ三太郎には月見ソバがよく似合うと言うが、 ブルックナーには仏像が似合う。 先日、京都に来た知人といっしょに、三十三間堂へ行きました。 三十三間堂なんて、ぼくも小学校の修学旅行以来だったんですけど、いや最高ですよここ。 観光名所としては清水…

ニュー・ホライズンズの冥王星最接近に寄せて

3時間ほど前の日本時間午後8時49分、探査機ニュー・ホライズンズが予定どおり冥王星の最接近に成功しました。 ニュー・ホライズンズは冥王星から1万2000キロというごく至近距離まで近づいたものの、通過時の速度は時速4万5千キロというとんでもないもので、…

いちばん行きたいとこは冥王星のプールサイド

グスターヴ・ホルストが組曲 「惑星」 を作曲したのは1916年のこと。 それから14年後の1930年、カルロス・クライバーや宇野功芳が生まれた年に、クライド・トンボ―が太陽系の第9惑星となる冥王星を発見。 新惑星発見の報を受けたホルストは第8曲 「冥王星」 …

宇野功芳「真夏の第九」

宇野功芳指揮の第九が聴ける日が来るなんて…。 宇野功芳/指揮 真夏の「第九」 2015年7月4日(土)いずみホール 宇野功芳(指揮) 丸山晃子(S)、八木寿子(A)、馬場清孝(T)、藤村匡人(Br) 大阪交響楽団、神戸市混声合唱団 ベートーヴェン:歌劇「フィ…

言葉なき歌、または宮崎駿は説明しない

☆ アカデミー賞受賞記念 ☆ 宮崎駿といえば活劇の人で、カーチェイスや飛行シーンにおいてその非凡なセンスが発揮されるのは万人の知るところであるがそれ以上に彼は何気ない、そう本当に何気ないカットに詩情をこめるのが上手いと思う。 『天空の城 ラピュタ…

【京都ちょっといい店 ②】 すしてつ先斗町店

京都ちょっといい店シリーズ第2弾は、またしても寿司。 お寿司好きなんです。 しかも京都だっつってんのに江戸前とかもうね。 「すしてつ 先斗町店」 (特に公式サイトはないようです) 三条大橋のたもとから先斗町へちょっと入ったところにあるこの 「すし…

人類がいなくなったヴィヴァルディの 「春」

中学一年のとき、音楽の授業でヴィヴァルディの四季から 「春」 の第一楽章を聴かされ、その感想を書きなさいと言われた。 ぼくがクラシック音楽に開眼するのは中学二年まで待たなければならず、そのときはまだ音楽鑑賞を積極的な趣味にすらしていない段階だ…

もう半分はグルダのせい

カルロス・クライバーと並ぶぼくのヒーロー、フリードリヒ・グルダ。 ぼくが三十五歳にもなってピアノを習いに行くなどという酔狂を始めた理由の半分はモーツァルトにあり、あとの半分はグルダにある。 でもグルダの音楽にちゃんと出会ったのは、没後ずいぶ…

ブリュッヘンを思い出す

たしか、あの日ぼくは風邪で体調を崩してひいひい言ってた。 熱もあった。 さいわい咳は出てなかったので、行こうと思った。 早くからチケットを買って、休暇にするつもりでいたのに、よりによってその日に会社が昇進試験の一次日程をねじこんできたもんだか…

【京都ちょっといい店 ①】 寿司のむさし三条本店

学生時代を含めて京都に17年も住んでいるというのに、ぼくは京都の名店とか全然知らない。 京都を訪ねてきた知人と会う。「どこかいいお店連れてってよ」 と言われる。硬直する。熟考した末、 「お寿司…」 「なんで京都まで来てお寿司よ」 「うどん…」 「な…

名曲名盤主義と、ぼくがぼくであるために

クラシック音楽愛好家は、楽曲と同等か、あるいはそれ以上に 「演奏家」 というものを重視する。 それがクラシック音楽鑑賞の最大の醍醐味であるのは間違いない。そうでなければ極論、ひとつの曲に対してひとつの演奏があればこと足りるということになって、…

一足飛びに時代を前進させた、英雄という名の英雄

あるバンドがメジャーデビューしたとする。ファーストアルバムはオーソドックスなロックのスタイルを踏襲しつつところどころ実験的な試みも盛り込み、荒削りながらもみずみずしい初期衝動をかき鳴らして見せた。 続くセカンドアルバムもファーストの音世界を…

モーツァルトの虹色のメロディ。

中学高校時代、まだクラシック音楽を聴き始めのころ、宇野功芳氏が折にふれ「いちばん好きな作曲家はモーツァルト」と書いているのを読んでは、「モーツァルトの何がそんなにいいんだよ」と思っていた。 なるほど小ト短調の交響曲などは十代の感受性にもそれ…

さいごは考古学者として砕け散った男

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。 ※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください。 大事なことなので2回言いました。 なんとはなしにインディ・ジョーンズシリーズ第1作である『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』を見返したりしているんで…

宮本浩次は『恋人よ』を歌わない

突然だが、いちばん好きな歌手の、いちばん好きな一曲を挙げよ、と問われれば迷う人も多かろう。 エレファントカシマシにおいて、俺はその答えに窮しない。2位以下ベスト10曲を選ぶとすればその選定作業には大いに迷うことだろう。しかし最高位に座する一曲…