宮地さんの舞台を見てきた話(前編)

先月末に観てきた舞台の感想を書こうとして、自らの語彙力の乏しさに絶望し、頭を何度もコタツに打ちつけていたところ、その衝撃でふと「自分で自分にインタビューする形式にすれば書きやすいのでは?」と思いついた。やってみるとアラふしぎ、スラスラ書ける!

というわけで以下は、受け手・聞き手・本文・構成すべてぼく(団子)によるロングインタビューであります。気合い入ったぞ!

注:ネタバレありです。公演は終了していますが、念のため

 

ライブで宮地さんが見れる!

━━本日はよろしくお願いします。団子さんは先日、宮地眞理子さんが客演された劇団Dotoo!の公演『月にむら雲 花に風』を観て来られたとのことで、色々とお話を伺いたいと思います。

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Dotoo!「月にむら雲 花に風」
2019年1月23日(水)~27(日)
下北沢シアター711
作・演出:福田卓郎
出演:片平光彦/デ☆ら/青白木タクヤ/藤城慎/相今くる/宮地眞理子/黒木エミー/岩本未来/寺島ゆうか/前田剛(BQMAP) /坂本文子(声の出演)/平川和宏

 

団子:昨年末、宮地さんが年明けに東京でお芝居に出るという情報をツイッターで見まして、1秒で「これは行かなければ!」と決断しました。Dotoo!については、以前『キネマの神様』に宮地さんが出演したことは知っていましたが、もちろん観劇するのは今回が初めてで、お正月からずっとワクワクしていましたね。

━━で宮地さんを見られるのも初、とのことでしたが

団子:そうなんです。宮地さんが『地球のふしぎを歩こう』を上梓された時、出版記念のサイン会が関西でもあったんですけど、ちょっと個人的に忙しくしていた時期で、行けなかったんですよ。もう悔しいのなんのって、1ヶ月くらい立ち直れなかったですね(笑)。だから今回、ついに憧れの宮地さんをこの目で見られるぞ! と嬉しくてしょうがなかった。

━━当日はドキドキでしたか。

団子:下北沢駅で降りた途端、もう緊張してきて(笑)。さらに劇場が見えてくると、足が震えるのが分かりました(笑)。中に入るとシアター711は客席と舞台の距離がすごく近くて、ものすごく濃密な空間で……大阪でも天六や十三にある同じような規模の小劇場で芝居を観たことがあるんですが、「この近さで宮地さんが出てくるとかマジか!!」と、ひとり動揺しながら開演を待ってました。

━━ドキドキどころの騒ぎではないですね(笑)。

団子:幕が開いて、下手から宮地さんが登場した瞬間の喜びといったらもう……、ほんの4、5メートル先に本物の宮地さんがいるんですよ! 涙が出るほど感激しました〜。最初の暗転くらいになって、ようやく落ち着いたような気がします。

 

役者の「顔」のすごさ

━━今回の作品『月にむら雲 花に風』は、カジノが公営化された近未来が舞台のお話でした。

団子:シリアスな場面もありますが、基本、喜劇で、楽しく観させていただきました。12人も登場人物がいるのに相関図がすっきりと分かりやすく、ドタバタ劇の愉快さに溢れていて、実際にカジノができたらこんなことがあるんだろうな~という悲喜こもごもが面白かったです。

ぼくはギャンブルをやりませんが、昔からファミコンでも何でも、負けが込むとクリアできるまで意地になってやり続けてしまうところがあって、たぶん競馬やパチンコなんかも、やり始めたら危ないタイプなんです。だから手を出さないようにしてるんですけど、カジノも興味本位でちょっとやってみて勝ちを覚えてしまったら、泥沼にハマるかもしれませんね。

━━デ☆らさんが演じられた、カジノで身を持ち崩す男の姿は強烈でしたね。

団子:だんだん身なりもボロボロになっていって、まさにゾンビそのものでした(笑)。ぼくもカジノゾンビになってしまう資質は十分あると思います。

プロとして当たり前なのかもしれないですが、役者さんって「顔」を作れることがすごいなぁ、とつくづく思いました。主役の片平光彦さんにしても、出てきたときから完全に「冴えない元ヤクザ」の顔になっている。絶対に現役の人じゃあないなと顔だけで伝わってくるんです。前田剛さんが出すギラギラした現役感と対照的でした。両者が対決するクライマックスは見応えがありましたね~。ジョジョ三部の承太郎vsダービー兄を彷彿とさせるような、ケレン味たっぷりの心理戦でした。

━━ヤクザやヤクザ上がりばかり登場するのに、舞台には終始カラッとした喜劇の空気がありました。

団子:そうですね。賭場とかシノギとかメンツとか、いかにもアウトレイジな用語が飛び交いながらも世界観はポップで、受け入れやすかったです。キャストの半分が女性なので華がありましたし。

ぼくの隣の席にいたご婦人がとてもよく笑う方で、非常に助かったというか、笑うところではそのご婦人と一緒に遠慮なく声を出して笑うことができたので、感謝してます。

━━宮地さん以外で、他に印象に残った出演者の方は?

団子:皆さん個性的なので、それぞれに見せ場があったのですが……平川和宏さん演じる神田川忍のキャラクターが良かったですね。軽妙なお笑い担当とドスの効いた元親分、両方の顔で異様な存在感を放っておられました。これまたプロフィール写真とのあまりのギャップに驚きました(笑)。

 

笑ってはいけない宮地眞理子

━━そして宮地さんですが、主人公の妹にしてお客の来ない占い師・高倉智恵を熱演されました。

団子:なんか、ぴったりの役だなぁと思いました。占い師姿がすごく様になってるんですよ。リポーターの時は笑ったり、困ったりする顔はあっても、怒ったり悲しんだりする顔ってそうないじゃないですか。役者としての宮地さんが見せる喜怒哀楽の表情すべてが新鮮で、本当にキュートでした。

智恵ちゃんは、兄貴がヤクザだったせいで恋人とうまくいかず別れてしまった過去があったり、色々な感情を心に抱え込みながらも兄のことを大切に思い、毎日を前向きに歩いている女性です。そういう智恵ちゃんの姿が、テレビや著書やインタビュー、あるいはFacebookの投稿などから垣間見える素の宮地さんの姿ともどこか重なって、魅力ある役どころになっていました。「過去を捨てて」という台詞も、あくまで未来を見ようとする職業である占い師が言うと感慨深かった。

その一方、先にも述べましたけど、この戯曲はシリアスな場面にもしっかり笑いが差し込まれていて、その要所要所を智恵ちゃんのひたむきながらどこか抜けたところもあるキャラクターで抑えているのが面白かったです。終盤、さあバカラで勝負だとなって双方睨み合ってるところで「……どうなったら勝ちなの?」と全員をずっこけさせたりとか。

いちばん笑ったのが、いや笑っちゃいけないんですけど、前田剛さん演じるヤクザが主人公に5000万円の負債を背負わそうとして「払えないなら智恵ちゃんをもらって行くぞ!」と脅す場面で、智恵ちゃんが嫌がるどころかまんざらでもないといった表情で「わ、私に5000万の価値がある……?」と嬉しそうに言うところです(笑)。ここだけ妙に生々しいというか、舞台と現実の境界がぼやけるというか、高倉智恵が言ってるのか宮地眞理子が言ってるのか一瞬わからなくなるというか、緊迫の山場でいきなり身体を張った笑いを入れてくるのはやめてください😂! と思いました。でもごめん、笑いましたけど!

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後日公開のインタビュー後編では、団子さんが宮地さんのファンになったいきさつや、団子さんの考える宮地さんの魅力についてお聞きします! お聞きしますって俺だけどな!

後編に続く。

(団子)